映画「ブラック・クランズマン」<感想・解説・ネタバレあり>

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2018年カンヌ映画祭グランプリ受賞作品「ブラック・クランズマン」。実話を基にした作品で全体的にコミカルに描きながらも、最後の最後に現実を叩きつけられる映画。この映画を深掘りしたいと思います。

映画情報

原題:BlacKkKlansman
製作国:アメリカ(2018年)
日本公開日:2019年3月22日
監督:スパイク・リー
原作:ロン・ストールワース『BlacK Klansman』

あらすじ

二人の刑事が挑むのは、 史上最も不可能な潜入捜査。
1970年代半ば、アメリカ・コロラド州コロラドスプリングスの警察署でロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は初の黒人刑事として採用される。署内の白人刑事から冷遇されるも捜査に燃えるロンは、情報部に配属されると、新聞広告に掲載されていた過激な白人至上主義団体KKK<クー・クラックス・クラン>のメンバー募集に電話をかけた。自ら黒人でありながら電話で徹底的に黒人差別発言を繰り返し、入会の面接まで進んでしまう。騒然とする所内の一同が思うことはひとつ。KKKに黒人がどうやって会うんだ?そこで同僚の白人刑事フリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)に白羽の矢が立つ。電話はロン、KKKとの直接対面はフリップが担当し、二人で一人の人物を演じることに。任務は過激派団体KKKの内部調査と行動を見張ること。果たして、型破りな刑事コンビは大胆不敵な潜入捜査を成し遂げることができるのか―!?

引用元:https://bkm-movie.jp/intro_story/

冒頭のシーンは「風と共に去りぬ」

「風と共に去りぬ」は観た事はなくてもタイトルを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。1939年に公開された南北戦争期における白人貴族社会を描いた名作としてアカデミー作品賞・監督賞を受賞していますが、一方で奴隷制度を美化した上で南軍のアメリカ人兵士を英雄扱いする映画であると評論家から批判されている映画でもあります。のっけからこの映画のシーンを見せることで過去の人種差別問題に対する問題提議のメッセージが込められていると思われます。

主演はあの名俳優の息子

今回主演を務めたジョン・デヴィッド・ワシントンはあのデンゼル・ワシントンの息子です。彼は9歳の時に同作で監督を務めているスパイク・リーのマルコムX(1992年)で主演のデンゼル・ワシントンと親子で共演しています。デンゼル・ワシントンとスパイク・リーはこれまで4度の作品でタッグを組んでいます。今後スパイク・リーと息子とのタッグにも期待ですね。

実話を基にした作品

原作では主役のロン・ストールワースが執筆した「ブラック・クランズマン」。この作品が基にはなっているものの時代背景が変えられている。映画に出てきた捜査が実際に行われたのは1979年ですが、映画では1972年に設定を変えられています。1967年に結成され1970年代半ばにほぼ解散した「ブラック・パンサー党」の活動やブラックパワーのムーブメントを映画に組み込むためだと思われます。アダムドライバーが演じたユダヤ人役についても、原作では身の安全のために名前も含めて詳細は明らかにされていません。また、ロンの恋人の黒人学生自治会会長のパトリスも架空の人物との事です。また劇中ロンがパトリスと一緒に踊った時にかかる曲は「Too late to turn back now – Cornelius Bros and Sister Rose」1972年の曲で良い曲ですね。

ラストのシーンは「シャーロッツビル事件」

映像の通り悲惨な事件でこの映画は締めくくられます。この悲劇のはじまりは、アメリカ合衆国バージニア州中央部に位置する都市シャーロッツビルの議会が、ある銅像の撤去を決めたことでした。その銅像とは米南北戦争時の南軍の総司令官であったロバート・E・リー将軍。南北戦争の原因が奴隷制度であったという認識がある中で、黒人にとって、公共の場にそのシンボルが立てれているのは侮辱的だと感じていました。銅像撤去を阻止するためKKKなど白人至上主義者の団体とそれに反対するデモがシャーロッツビルで激突する中、1台の車が群衆に突っ込み、反対するデモに参加していた女性が亡くなります。また、その後その群衆を監視していた警察官のヘリコプターも墜落し2名の警察官が亡くなっています。一見痛快に終わったと見せかけ、映画の冒頭から最後まで、この人種差別の問題がずっと続いているという重いメッセージを叩きつけられます。