映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」<感想・解説・ネタバレあり>

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映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」を鑑賞しました。「アイアンマン」から全22作品追いかけてきたMCUファンの私にとって最高の映画体験になりました。気になった点と感想をまとめます。ネタバレを含むので必ず鑑賞後にご覧下さい。

映画情報

原題:Avengers: Endgame
製作国:アメリカ(2019年)
日本公開日:2019年4月26日
監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
制作:ケヴィン・ファイギ
脚本:クリストファー・マルクス、スティーヴン・マクフィーリー
出演者:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、他

あらすじ

最強を超える敵“サノス”によって、アベンジャーズのメンバーを含む全宇宙の生命は、半分に消し去られてしまった…。
大切な家族や友人を目の前で失い、絶望とともに地球にとり残された35億の人々の中には、この悲劇を乗り越えて前に進もうとする者もいた。だが、“彼ら”は決して諦めなかった──
地球での壮絶な戦いから生き残った、キャプテン・アメリカ、ソー、ブラック・ウィドウ、ハルク、ホークアイ、そして宇宙を当てもなく彷徨いながら、新たなスーツを開発し続けるアイアンマン。ヒーローたちは、大逆転へのわずかな希望を信じて再び集結する。はたして失った者たちを取り戻す方法はあるのか?35億人の未来のために、そして“今はここにいない”仲間たちのために、最後にして史上最大の逆襲<アベンジ>に挑む。最強チーム“アベンジャーズ”の名にかけて──。
引用元:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame/about.html

MCU22作品まとめ

本作「アベンジャーズ/エンドゲーム」はアメコミのマーベル・コミック「アベンジャーズ」の実写映画第4作目で完結作。2008年公開の「アイアンマン」からはじまった「「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)シリーズ」(様々なマーベル・コミックの実写映画を同一の世界でクロスオーバーさせたシリーズ)の22作品目であり、このインフィニティーストーンを巡る11年に渡って続いた22作品「インフィニティ・サーガ」の完結作でもあります。この映画シリーズは世界歴代1位の興行収入を記録しており、MCU自体は今後も続くとされています。
これまでの作品はフェイズ1〜3と分けられており、作品一覧は下記の通り

インフィニティ・サーガ(フェイズ13
フェイズ1
「アイアンマン」(2008年)
「インクレディブル・ハルク」(2008年)
「アイアンマン2」(2010年)
「マイティ・ソー」(2011年)
「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」(2011年)
「アベンジャーズ」(2012年)
フェイズ2
「アイアンマン3」(2013年)
「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」(2013年)
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(2014年)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014年)
「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(2015年)
「アントマン」(2015年)
フェイズ3
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)
「ドクター・ストレンジ」(2016年)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」(2017年)
「スパイダーマン:ホームカミング」(2017年)
「マイティ・ソー バトルロイヤル」(2017年)
「ブラックパンサー」(2018年)
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)
「アントマン&ワスプ」(2018年)
「キャプテン・マーベル」(2019年)
「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)
「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(2019年予定)

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物語のはじまりとタイム泥棒作戦

今作は、前作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でアベンジャーズがサノスに敗れ、インフィニティ・ストーンを6つを集めたサノスの指パッチン「The Decimation(ザ・デシメーション)」により、人類の半分を失ってから22日ほど経過した世界から始まります。惑星タイタンから地球に帰ろうとするも、燃料と食料が切れて終わりを悟ったトニー・スターク(アイアンマン)とネビュラはキャロル・ダンヴァース(キャプテン・マーベル)に救われます。3月に公開された「キャプテン・マーベル」のエンドクレジット後のおまけ映像で、キャロル・ダンヴァースはアベンジャーズの基地にやってきていました(「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のおまけ映像でニック・フューリーが非常時のために持っていた改造ポケベルを「ザ・デシメーション」直後に使い、キャロル・ダンヴァースを呼んでいた)ので、そこで状況を知り、トニー・スタークを助けに行ったと思われます。そして生き残ったメンバーでサノスの居場所を突き止め、インフィニティーストーンを取り返して、失った人々を復活させる作戦を立てます。サノスがいる惑星ガーデンに向かうものの、なんとサノスはインフィニティ・ストーンを破壊してしまっていまいした。サノスを倒すも、失った人々を取り戻す手段を無くしてしまったメンバー達、混沌とした世界の秩序を守る活動をしつつも、希望を見出せないまま5年の月日が流れたのでした。そんな中、量子世界に取り残されていたスコット・ラング(アントマン)(「アントマン&ワスプ」のおまけ映像で、車に積んだ量子トンネルを使い、量子エネルギーを得るため計画中いたスコット・ラングは量子世界に入ったが、外にいた仲間達((ピム、ジャネット、ホープ))は「ザ・デシメーション」により消されてしまい、スコット・ラングは外に出れずにいた。)が車の中に侵入したネズミ(さすがディズニー)のおかげで外に出ることができます。そこで分かったのが量子世界では時間の流れが違うという事実。紆余曲折あり、アベンジャーズの面々は「タイム泥棒作戦」を計画します。
この作戦は過去にタイムトラベルし、6つのインフィニティ・ストーンを一時的に借り使用することで、失われた人々を復活させるというものでした。

<作品内のルール>
①過去を改変しても現在は変わらない=乳幼児のサノスを殺害したとしても、現世界でサノスが行ったことは修正されない
②過去の世界からインフィニティ・ストーンを完全に奪ってしまうと、過去の世界が改変されてしまう(=現世界に影響はないが、過去に悪い影響を与えるので現世界のメンバーは良心的に無視できない)

*①については物語後半で、現在のネビュラが過去のネビュラを殺害しても、現在のネビュラは死ななかった。
*②については、タイム泥棒作戦時にNYでブルース・バナー(ハルク)に対して、エンシェント・ワンが説明。(「ドクター・ストレンジ」で描かれたようにタイムストーンがないとこの先登場するドルマムゥは倒すことが出来ません。)

つまり、アベンジャーズはすでに起こってしまった「ザ・デシメーション」の事実は変えられないので、この先の未来を変えようとしたのです。そこで過去の時代、どこに6つのインフィニティ・ストーンがあったのかを確認し、それぞれの石を借りるため、3つのチームに別れて過去に向かいます。

トニー・スターク(アイアンマン)と父ハワード・スターク

今作の面白い点の1つがこのタイム泥棒作戦で過去の世界(実際の過去作品の映像や描写されていなかった事実)を見れることです。これまでの作品を追いかけてきた人なら、とても楽しい時間になります。そして、そこで生まれるドラマにグッときます。特にアベンジャーズの中核であるビック3(トニー・スターク(アイアンマン)、スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ、ソー)はこれまで3作品ずつ単体作品が作られており、それぞれ過去にトラウマを抱えていることが描かれています。トニー・スターク自身「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の作品内でも、過去のトラウマになっている記憶を自分の望み通りに再現することで、心の傷を癒すことができるBARFシステムを開発しています。ビッグ3は今作でBARFシステムで過去の記憶を変えるのではなく、過去でトラウマの原因となった人達と向き合っていくのです。
トニー・スタークのトラウマの原因は父ハワード・スタークの存在でした。ハワードはトニーが20歳の誕生日に妻マリアと共に事故で亡くなっています。(実際には洗脳を受けていたバッキー・バーンズ(ウィンター・ソルジャー)により殺害されていた事が「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で明かされる。)BARFシステムで別れの当日を再現し、そっけない別れをした過去を悔やみ、「こんな別れなら良かった」と理想の別れを再現しています。ハワードは後にトニーが引き継ぐスターク・インダストリーの創設者であり、S.H.I.E.L.D.を設立に携わるなど、世界平和のために尽力していましたが、仕事優先でトニーを厳しく育てたこともあり、トニーはハワードから愛情をあまり感じられずにいました。一方でトニーはハワードを尊敬もしており認めてもらいたい気持ちもありました。ハワードの死後、「アイアンマン2」内でトニーがアーク・リアクターの開発に苦慮している際に、生前ハワードがトニーに残したメッセージ(「私の研究のすべてが。これは未来への鍵だ。私の生きる時代では限界があるが、いつの日かおまえが実現してくれるだろう。それができたら、おまえは世界を変える。私が生み出したもので、最もすばらしいものはおまえだ」)で、ハワードがトニーに期待をしていた事が分かります。トニーはハワードの意思を受け継ぐ事を胸に秘める一方、生前に向き合えなかったことを悔やむことになるのです。
そんな中、今作でトニーはタイム泥棒作戦で1970年代のハワードと会います。ハワードはトニー(もちろん実の息子と認識していない)に「大義より個人の幸せ優先した方がいい」、「子供のためであれば何でもしたい」と語り、仕事優先であったと思われたハワードですが、それは子供(トニー)の幸せを想ってのことだと、トニーは知ります。そしてトニーは当時言えなかった感謝の想いをハワードに伝えるのです。「大義と個人の幸せ」。トニーはこのMCUシリーズでどちらを優先すべきか悩み続けてきました。そして彼が抱えているもう一つのトラウマがまさしく今回のヴィラン「サノス」。彼は「アベンジャーズ」のNY決戦時に宇宙に存在する脅威(サノス)をその目で見てしまってから、その脅威と戦い、世界を守ることを考え続けていました。「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」ではマインドコントロールにより仲間が全滅してしまっている未来を見てしまいます。一方で「インフィニティ・ウォー」後に「個人としての最大の幸せ」も手にしており、一時アベンジャーズを離脱していましたが、今作のサノスとの最終決戦時に大きな決断をします。ハワードがトニーに残したように、トニーも娘に残したメッセージ、、涙なしでは見れません。

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スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)とペギー・カーター

タイム泥棒作戦時に、トニーと共にスティーブ・ロジャースも1970年代に行きます。そこでペギー・カーターの部屋に入り、自身の写真が飾られていることを確認し、隣の部屋にいるペギー・カーターを見かけます。「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」で互いを想っていた2人ですが、1945年、スティーブはレッド・スカルとの最終決戦後、飛行機ワルキューレ内の無線でペギーと初めてのダンスのデートの約束をしますが、無線は切れ、飛行機は北極に不時着し、彼は70年後に発見されるまで行方不明の氷漬けとなってしまうのです。同作の最後に復活するも、70年時間が経ってしまったことを知り、彼はダンスのデートが果たせなかったことを後悔し続けます。
彼はペギーが亡くなった後も彼女の写真を貼っているコンパスを持ち続けており、果たせなかった約束の後悔を背負いつつ、彼女が守ろうとしていた世界を守るためヒーローとして在り続けていたのではないかと思われます。本作の序盤でナターシャとの会話では、自分たちの役目は終わったのではないか?、自身の幸せのために別の道を進むのもありではないか?と考えていることが明かされます、そして過去のペギーの想いに触れ、サノスを倒した後、彼は一つの決断をするのです。

サノスの利己的な行動に対するアベンジャーズの利他的な行動

サノスは「資源が限られている宇宙で、これ以上生物が多くなりすぎると破滅してしまう、だから生物を半分にして救う必要がある。」と考えています。また自身を絶対的な存在であると自負しており、自身が行なっている、行おうとしている行為が他者にとっての救済と考えているのです。彼自身が考える平和な世界があるものの、彼の根底にある考えは、自分以外を信用していないし、生物は皆そうゆうものだと考えているようにも思えます。「生物は資源が限られたり、心が貧しくなると、互いに奪い合い、攻撃し合うもの」である、つまり生物は全て利己的な行動をとると考えているため、そうならないように自分が「ザ・デシメーション」を行う意義があると思っていますが、その行為によって生まれる悲しみは無視されており、彼自身の行動が他者から見たら利己的な行動であると言えると思います。
一方今作でのアベンジャーズはタイム泥棒作戦で「互いを守れ」というセリフが合ったように、仲間同士が助け合う姿が多く見られました。燃料が切れた宇宙船の中でトニーに対して残った食料を譲ったり、怪我を直すネビュラ、そのネビュラを元気付ようとゲームをするトニー、その2人を助けたキャロル、かつてのサムのようにセラピーを行うスティーブ、日本でクリントに寄り添うナターシャ、危険な実験に怯えるスコットの代わりを行うクリント、自暴自棄になっていたソーに寄り添うブルース、と叱咤するロケット、改造された自身の姿を受け入れきれていないネビュラに寄り添うローディー、一か八かの賭けに出る際、互いを信じ合うトニーとスティーブ、犠牲を買って出るナターシャとクリント、ビッグ3の絶体絶命のピンチに駆けつけたヒーロー達、溺れる仲間を助けたスコット、インフィニティーストーンをリレー形式で守ったヒーロー達、ミサイルの攻撃の際グルートを守ろうとしたロケットと魔術師ら、ピーターを守った女性ヒーロー達、自身を犠牲にして全てを救ったトニー、モーガンに寄り添うハッピー・・・と多くの場面で利他的な行動が見受けられました。
前作では何度かサノスと対峙するも、バラバラだったアベンジャーズは敗北しましたが、今回は失われた人々を取り戻すために、自身の犠牲を厭わずに行なったタイムトラベルからはじまり、互いを守りながら戦った最終決戦で勝利します。絶対的な利己的な行動と結束した利他的な行動がぶつかった結果、後者が勝利したのだと思います。

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映画に込められたメッセージと感想

個人的にはMCUで一番好きで興味深いキャラクターがトニー・スターク(アイアンマン)でした。彼は先にも書いた通りずっと苦悩し続けており、時には自分がとった行動が悪い結果を生むこともありました。でも本心では父から引き継いだ意思、世界や恋人、家族、仲間を守りたいという想いがあり、報われて欲しいと思っていました。彼が「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」で見た最悪の結末が自身が生き残り、他者は全滅してしまうというものでした。彼自身、このままではその結果になってしまうから何かを変えないといけないと、必死だったと思います。本作ではその真逆の結果になり、結果的に悲しいエンディングにも思えますが、私は彼自身は救われた終わり方のように見えました。その結末に向けて、ペッパーに本心を伝えるも、理解を示すペッパー、ナターシャの決断、父の想いとトラウマからの解放、そして最後にドクター・ストレンジがトニーに対して行うジェスチャー、、、全てを知っている彼にとっては、それを伝えるのも重い決断だったと思います。そして全てを悟ったトニーの表情。このシーンから最後までは涙腺が決壊しました。1作目アイアンマンに敬意を表するようなエンドロール後の音、カッコいいバトルシーンやコメディ要素もあり、色々な見方が出来る作品だと思いますが、MCUのはじまりを作ったトニー・スタークの長い物語の締め目くくりとして見ると最高なエンディングだったと思います。
また、本作には先に書いた、「利他的な行動」の他、「ありのままを受け入れよう」というメッセージが込められているように思えます。タイムトラベルが出てきますが、ヒーロー達は過去を変えても現在は変わらないから、未来を変えようとします。また、あるべき姿より、自身のありのままの想いを優先することにしたスティーブとソーが最後に出した結論、ハルクを受け入れたブルース、ナターシャとヴィジョンの死を受け入れたクリントとワンダ。この映画には「人は苦難があってもそれを受け入れ、時には助け合うことで前に進むことが出来る」そんな明るい想いが込めらえている気がしています。
と、色々書きましたが、まだ書き尽くせないほど見所は沢山ありますし、また22作品全て見返したいとおも思いました。こんな長い期間楽しみを作り、楽しませてくれたMCUに感謝したいですし、これをリアルタイムで体験出来たことを幸運に思います。しかしケヴィン・ファイギは現時点のインフィニティー・サーガも「はじまりに過ぎない」と発言しており、この後発表が控えているフェイズ4のラインナップが楽しみでしかたありません。まだまだMCUを楽しみに過ごす日々は続きそうです。

*作品リンク
インフィニティ・サーガ(フェイズ13
フェイズ1
「アイアンマン」(2008年)

「インクレディブル・ハルク」(2008年)

「アイアンマン2」(2010年)

「マイティ・ソー」(2011年)

「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」(2011年)

「アベンジャーズ」(2012年)

フェイズ2
「アイアンマン3」(2013年)

「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」(2013年)

「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(2014年)

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014年)

「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(2015年)

「アントマン」(2015年)

フェイズ3
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)

「ドクター・ストレンジ」(2016年)

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」(2017年)

「スパイダーマン:ホームカミング」(2017年)

「マイティ・ソー バトルロイヤル」(2017年)

「ブラックパンサー」(2018年)

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)

「アントマン&ワスプ」(2018年)

「キャプテン・マーベル」(2019年)
「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)
「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(2019年予定)